セミナー・発表会・公開授業

西宮市立浜脇中学校 NIE公開授業 参加者の感想

辻井昭也・市川町立市川中学校長

 NIEの公開授業に参加したのは初めてだったので、教育的効果や県下の実践状況などをまずご説明いただき、その後に授業参観へとつながればよかったように思います。 時間的な制約もあったと思いますが、会自体は淡々と進んでしまいました。 授業を参観し、まさしくこれが「主体的・対話的で深い学び」だと感銘しました。加えて、「思考力・判断力・表現力」の育成にも大変効果的であることがわかりました。ICTもうまく活用され、今、学校現場で育成が求められている子供たちの資質・能力の多くが、あの授業で育成できているように感じました。  多くの示唆を与えていただきましたので、来年度に向けた経営方針や指導計画に反映させていきたいと思っているところです。

宮本直子・小野市立旭丘中学校教諭 

 公開授業では、幅広いジャンルの新聞記事をもとに、自分の考えを広げたり、深める生徒の姿に非常に感銘を受けました。目を輝かせながら、自信をもって自分の意見を発表する姿は本当に頼もしかったです。
 これまで私自身、新聞を活用することは生徒の成長にとって有効であるということは感じていましたが、なかなか形にするところまで至らずじまいでした。しかし、今回の参観授業を通して、新聞の具体的な活用を目にし、ぜひ自身の授業でも実践したいと思いました。
 新聞は、生徒の視野を広げさせてくれる存在だと改めて感じました。日々社会の情勢が大きく変化し行く中で、生徒たちには社会の様子を的確にとらえ、自分ごととして考え行動できる人に育ってほしいと考えています。そのためにも、まず1歩として、社会科授業で新聞記事クイズや、記事を読んだ感想を書かせたいと思います。

中嶋 勝・尼崎市立南武庫之荘中学校教諭

 新聞を活用することによって、「思考力・判断力・表現力等」が育成されることはもちろんのこと、自分たちの社会をより良いものにするためという、明確な目標がその授業にあるなら、生徒たちは生き生きと取り組み、学習する過程で「主体的・対話的で深い学び」を生徒自身が実感する。ということを私も学ぶことができました。
 問題意識をもって新聞記事を読み、見つけた身近な問題を解決するためには何が必要かを考える。そして、そのアイデアを交流しあって具体的に提案するという、新聞とICT、SDGsとを使った質の高い授業でした。
   他にも驚かされたことはたくさんあります。発表した生徒の感想をタブレットを使って素早く打ち込む生徒や、スライド作成の技術の高さなど、ICTを日ごろから使いこなしていることです。そして、大勢の見学者に取り囲まれても楽しそうな表情で意見を出し合う様子や、手際よく司会をする生徒、前で堂々と発表する生徒の姿から、日々の授業の積み重ねを見ることができました。1年生集団とはとても思えないはるかにレベルの高いものでした。
  渋谷先生や他の先生方が日ごろから授業改善に取り組まれることで、先生同士がつながり、生徒とつながる。さらに保護者、地域ともつながっていく。そんな素敵な授業づくりをしている雰囲気を肌で感じ取ることができました。今回学んだことを、私も日々の授業づくりに生かせるようにしていきたいと思います。

矢延和樹・神戸市立高倉中学校教諭 

 渋谷先生のされる授業名を始めてみたとき、「1年生の歴史分野なのに主権者教育?」と疑問を感じました。1年生にとって、「主権者」という言葉は難しく、理解するのに苦戦すると考えられます。そんな題材に、どのようなところで新聞を活用していくのか、とても興味深い気持ちをもって授業に臨みました。
 授業が終わり、真っ先に感じたことは「子供たちのゴール」です。生徒は中学校を卒業することがゴールではなく、社会の一員として、よりよい未来を切り開くことがゴールになります。それに向けて、中学校3年間で公民分野だけの「主権者教育」で十分ではなく、1年生からの積み上げが必要になってきます。どのようにすれば、1年生であっても主体的に「主権者」の意味・役割を理解できるのか、そして思考・表現することができるのかが、渋谷先生の姿を見てイメージすることができました。また、新聞の持つ、子供たちの力をもう一段階引き上げる凄味を実感させられました。
 今回の学びを、同じ1年生を担当している社会科教員として、子供たちに返していきたいと思います。素晴らしく、勉強になる授業をありがとうございました。