セミナー・発表会・公開授業

新聞活用法 教員ら学ぶ 兵庫セミナーに45人

230706niesemina-.jpg

 2023年度のNIE兵庫セミナーが7月6日、神戸市中央区の神戸新聞社で開かれた。兵庫県内の小中高校などの教員ら45人が参加し、教育現場での新聞活用について話し合った。

 NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会が主催。NIE実践の知見を広げるため、毎年実施している。

 時事通信社の水島信(まこと)神戸総局長が「通信社から見たNIE」と題し、情報リテラシー(読解力)の重要性について講演。続いて、学校での実践事例を教員ら3人が発表した。

 うち神戸市立白川小学校(同市須磨区)の長崎康子校長は、新聞記者の出前授業を実例に挙げ「災害などの現場を経験した記者から直接聞く話に、勝る学びはない」と魅力を語った。電子版の新聞を活用した事例なども報告された。

 参加者は四つの班に分かれて意見交換。「どうすれば新聞に親しんでもらえるか」といった共通の課題を巡り、各校の取り組みを紹介しながら考えた。(小野坂海斗)=7日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面

[写真説明]NIE活動について意見を交わす参加者=神戸市中央区東川崎町1

※セミナーの実践発表のうち、愛徳学園中・高校・米田俊彦教諭の活動報告はこちら。

※セミナーに参加された神戸市立高倉中学校・赤松三菜子校長の寄稿はこちら。

※参加者の感想はこちら。

                                                                ◆

230706niesemina-sinnbunnjyouhou.JPG

出前授業やNIE実践例を報告 NIE兵庫セミナーに45人 記者講演も

 2023年度のNIE兵庫セミナーが7月6日、神戸市内で開かれ、兵庫県内外の小中高校や特別支援学校、新聞・通信各社から約45人が参加した。教育現場での新聞活用に取り組む、兵庫県NIE推進協議会(竹内弘明会長)が主催。小中高校3校からは、記者の出前授業やNIE実践の報告があった。

 報告のうち、神戸市立白川小学校の長﨑康子校長は、同推進協議会による記者派遣事業(出前授業)の活用法を紹介した。

 出前授業が初めてだった記者と事前打ち合わせし、記者が担当教諭にインタビューし、その場で記事を執筆することになった。記者は5分で記事を書き上げ、児童たちから歓声が上がった。試みは大成功。児童たちも記者がどう質問したか、それをどう記事にしたかを参考にしながら、お互いにインタビューし記事を書いたという。長﨑校長は「受け身でない出前授業」の魅力を語り、その記者にはその後も出前授業を依頼したという。

 姫路市立飾磨中部中学校の佐伯奈津子教諭は、新聞から魅力ある写真を切り抜いて校内に掲示する▽新聞の読者投稿欄に応募する―など、自身が長年続けてきた、肩ひじ張らないNIEの取り組みを紹介した。

 愛徳学園中・高校(神戸市垂水区)の米田俊彦教諭は、電子版の新聞を活用し、生徒用の端末に数多くの記事を配信している。日を追うごとに、生徒が「新聞の面白さ」に気づき、記事に対するコメントの行数が増えていく様子を報告。目に見えるNIEの効果が、参加者の関心を集めた。

 その後、参加者は4グループに分かれて意見交換。各校の取り組みが紹介され、初参加の教員も熱心に耳を傾けた。

 記者講演もあった。時事通信神戸総局の水島信総局長が「通信社から見たNIE」と題し、情報リテラシーの重要性について話した。フェイクニュースの取り扱いについて、実例を示しながら、すべての情報の真偽を見極めるとともに、無責任に拡散しない―などのポイントを挙げた。=新聞情報7月22日号

[写真説明]学校でのNIEの取り組みについて意見を交わす参加者=神戸市中央区東川崎町1、神戸新聞社