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18歳を前に「選挙」体験 有馬高2年生 1票の重さ 模擬投票通じ考える

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神戸新聞アドバイザーが講師に

 選挙権を得る18歳を前に、選挙の仕組みや意義を知る「主権者教育」の授業が、三田市天神2の有馬高校であった。2年生233人が、ゲーム形式の模擬投票などを通じて1票の重さを考えた。

 同校は2023年度から、教育に新聞を取り入れる日本新聞協会のNIE実践指定校に決まっている。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。

 模擬投票は「50歳以下の選挙権廃止」「大学までの学費無料化」をテーマに、生徒5人が18歳の高校生や40代の主婦、60代の社長などの立場に分かれ、賛否や理由を発表した。それらの結果から、若者の投票率が低迷すれば意見も反映されにくくなる実態を学んだ。

 興味のある政治課題について意見交換する場面もあった。経済・財政を選択した生徒は「日本は『安い国』になっている。賃金を上げることが大切」と訴え、雇用対策を挙げた生徒は「同じ仕事内容でも正規と非正規社員で給料が違うのはおかしい」と指摘した。

 三好氏はロシアのウクライナ侵攻や新型コロナ禍に触れながら「世界はつながっている」と強調。阪神・淡路大震災の報道や近い将来発生するとされる南海トラフ巨大地震の予想津波高を紹介し、「政治家を目指すなら防災の視点を忘れないで」と呼びかけた。

 松本和夏菜さん(17)は「政治に興味はなく新聞もあまり読まないので、ウクライナ侵攻など内容を深く知らないニュースが多かった。情報をスマートフォン頼りにせず、いろいろな方法で調べて選挙に行きたい」と話した。(橋本 薫)=3月26日付神戸新聞朝刊三田版

[写真説明]ゲーム形式で選挙の仕組みを学ぶ有馬高校生=三田市天神2

※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。