セミナー・発表会・公開授業

わが校の新聞活用法は 小中高、支援学校の教諭ら実践発表

230204jixtusenhaxtupyoukai.jpg毎日トップ記事記録/当時の紙面で震災学ぶ

 NIE(教育に新聞を)活動を進める県内の学校による実践発表会(神戸新聞社など後援)が2月4日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールであった。新聞社や教育関係者でつくる兵庫県NIE推進協議会が毎年開催し、教員ら50人が参加。小中学校、高校、特別支援学校の教諭らが4事例を報告した。(小尾絵生)

 播磨特別支援学校(たつの市)は、高等部の生徒を対象にした授業について紹介。担当の志水幸広教諭は「生徒はほぼ新聞を読む習慣がない。肢体不自由な生徒もおり、まず新聞の扱い方から慣れる必要があった」と振り返った。

 生徒が毎日、当番制でトップ記事をノートに記録する仕組みを作るなど工夫。新聞を読むことの習慣づけを進めたという。

 須磨友が丘高校(神戸市須磨区)では、生徒が横尾小学校(同)の児童に、1995年の阪神・淡路大震災をテーマに授業を実施。避難所や救助といったテーマごとに、当時の新聞記事などを調べた。

 担当した岩本和也教諭は「震災は未経験の世代間だが、新聞記事を通して多角的に出来事を捉え、記憶の継承につなげられた」などと意義を強調した。

 夜間中学校の取り組みについては、神戸市立丸山中学西野分校(同)が発表。生徒の約8割が外国人のため、分かりやすい日本語で書かれた小学生新聞が役立ったことを伝えた。

 西宮市立浜脇中学校では持続可能な開発目標(SDGs)をテーマに、総合的な学習や社会科を展開。新聞記事やニュースをまとめたNIEノートを、アイデアを考えたり発表したりする時に活用していると報告した。=2月6日付神戸新聞朝刊広域版

[写真説明]小学生に防災をテーマにした授業を行った須磨友が丘高校の生徒も登壇した=神戸市中央区栄町通1

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NIE通じ学び深める 神戸で実践発表会

 教育現場で新聞を活用する「NIE」(教育に新聞を)に取り組む県内の学校による実践発表会が、神戸市中央区でひらかれた。教育関係者ら約50人が参加し、先進的な事例報告に耳を傾けた。

 県NIE推進協議会が主催。2月4日に行われた発表会では冒頭、秋田久子同協議会長があいさつに立ち、「教科学習にNIEをプラスすることで、社会にアクセスする端子を付けることになる。社会を視野にいれた学びが大切」とNIEへの期待を語った。

 実践発表では、県立須磨友が丘高校の岩本和也教諭が、同校の生徒たちが近隣の小学生を対象に行った、阪神淡路大震災当時の新聞紙面を活用した防災授業について報告。高校生2人も登壇し、授業でこだわった点などを語った。

 また、西宮市立浜脇中学校の渋谷仁崇教諭は、気になる記事を切り抜いて貼り自分の考えを書き込む「NIEノート」の取り組みや、企業と連携したSDGsの学習など、NIEを通じて生徒たちが学びを深める様子を伝えた。このほか、県立播磨特別支援学校、神戸市立丸山中学校西野分校からも実践報告が行われた。=9日付産経新聞朝刊阪神・神戸版、播州版、但丹版、淡路版

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「社会に関心 きっかけ」 神戸市中央区 5校教諭ら活動報告

 新聞を授業で活用するNIE(教育に新聞を)活動を進めている県内の学校による実践発表会が12月4日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールで開かれ、学校関係者ら約50人が参加した。

 県NIE推進協議会の主催。県内の小中学校、高校、特別支援学校計5校の教諭らが、活動を報告し合った。県立播磨特別支援学校(たつの市)の志水幸広教諭は、各クラスに模造紙を用意し、生徒たちが新聞記事の見出しを手書きした横に、内容を読んだ感想を記入してもらう取り組みを紹介。「新聞を通して、生徒が社会に関心を持つきっかけになった」と述べた。

 高校生から小学生に、新聞を通じた授業を実施したのは、県立須磨友が丘高と神戸市立横尾小(いずれも神戸市須磨区)。発表会では、同高の生徒が、阪神大震災が起きた当時の記事を児童と一緒に読み、震災や防災のことを学ぶ「小高連携」の成果を披露した。=2月5日付読売新聞朝刊神戸・明石版

[写真説明]学校でのNIEの取り組みを発表する高校生ら(神戸市中央区で)

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小中高の教諭ら実践発表 神戸でNIE実践発表会 産経新聞総局長の記者講演も

 2022年度兵庫県NIE実践発表会が2月4日、神戸市のよみうり神戸ホールで開かれ、兵庫県内外から教育関係者ら約50人が参加した。小中学校、高校、特別支援学校の教諭らが4事例を発表した。

 兵庫県NIE推進協議会(秋田久子会長)が主催する恒例の発表会。21年度はコロナ禍の影響で中止を余儀なくされ、2年ぶりの開催となった。

 夜間中学校の神戸市立丸山中学校西野分校(神戸市須磨区)の発表では、阿部俊之教諭が登壇。外国籍の生徒が8割を占める中、「波紋読み」と名付け、すべての漢字にルビが付いている小学生新聞も活用しながら、日本語の習熟度を広げていく取り組みを報告した。夜間中学でのNIE実践は珍しく、関心を呼んだ。

 兵庫県立播磨特別支援学校(たつの市)の発表では、志水幸広教諭が高等部の生徒を対象にした授業の中で、毎日、当番制でトップ記事をノートに記録しているなどのNIE活動を報告。志水教諭は「肢体不自由な生徒はまず、新聞の扱い方から慣れる必要があった」と話した。

 兵庫県立須磨友が丘高校(神戸市須磨区)では、生徒が神戸市立横尾小学校(同)の児童に、28年前の阪神・淡路大震災をテーマに授業を行った。当時、新聞各紙やラジオが震災をどう報じたかを伝え、児童は「災害時に自分ならどう行動するか」を考えた。

 発表した須磨友が丘高校の岩本和也教諭は「震災は未経験の世代間だが、新聞記事を通して記憶の継承につなげられた」と意義を強調。横尾小学校の酒井秀幸校長は「年齢が近い高校生なので質問もしやすく双方向の授業ができた」「これまでの震災学習をより自分ごととしてとらえることができた」と振り返った。

 西宮市立浜脇中学校の渋谷仁崇教諭は、新聞記事やニュースをまとめた「NIEノート」の取り組みや、企業と連携したSDGs(持続可能な開発目標)の学習など多様なNIE展開を報告した。

 産経新聞神戸総局の岸本佳子総局長は「読者投稿のススメ~『朝晴れエッセー』の現場から」と題して講演した。

 兵庫県教委高校教育課指導主事の上月さやこさんと、神戸市教委教科指導課指導主事の松田信吾さんが講評。上月さんは「播磨特別支援学校の取り組みは新聞活用のヒントが満載だった」、松田さんは「丸山中学校西野分校の『波紋読み』が素晴らしかった」など、いずれも各校のNIE活動を高く評価した。=新聞情報2月25日号

[写真説明]小学生を対象に「震災授業」を行った須磨友が丘高校の生徒も登壇した=神戸市中央区栄町通1            

※「グラフィックで振り返る、NIE実践発表会」をこちらに掲載しています。

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