■南あわじ市・広田中学校(10月21日、対象・3年生48人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが「主権者教育」の授業を行った。生徒たちは「大学学費無償化」をテーマにした模擬投票や選挙報道の解説、関心のある政治課題を選ぶワーク、議会広報紙の紹介などを通し、1票の重さを学んだ。
2022年10月アーカイブ
神戸新聞アドバイザーが講師に
南あわじ市広田中筋の広田中学校で10月21日、選挙の仕組みや意義を考える「主権者教育」の授業があり、模擬投票と選挙報道の解説で1票の重さを学んだ。
同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。3年生48人が参加した。神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが講師を務めた。
模擬投票は「50歳以下の選挙権廃止」と「大学学費無償化」をテーマにした。生徒たちは10代、20代、40代、60代、80代を代弁する意見を出し合った。三好アドバイザーは、投票率や投票者の年代比で選挙結果が変わる可能性を指摘し、「投票に行かなければ、若い世代の意見は届かない」と呼びかけた。
政策課題についても話し合った。生徒たちは「新型コロナウイルス禍で赤字の店が増えていると知り、経済に興味を持った」などと発表した。三好アドバイザーは、「各政党の主張を新聞やネットで調べ、将来の選挙に向けて引き出しをつくっておいてほしい」と話した。ロシアによるウクライナ侵攻にも触れ、「未来を描けるリーダーを選ぶ必要がある」と訴えた。
教育に関心を持ったという上田梗介さん(15)は、「投票すれば若者も社会を変えられると知った」と話した。(荻野俊太郎)=22日付神戸新聞朝刊淡路版
[写真説明]選挙の仕組みを学ぶ生徒たち=広田中
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
安倍元首相「国葬」の賛否問う調査を例に
時事通信社神戸総局の水島信総局長が10月17日、神戸市長田区の兵庫高校で「調べる、まとめる~世論調査」と題して講演した。同校は兵庫県NIE推進協議会の独自認定校。メディア各社が行った安倍晋三元首相の国葬の賛否を問う世論調査の話に、2年生275人が聞き入った。
講演は生徒の探究学習に生かしてもらうのが狙い。世論調査について、水島総局長は「テーマ設定が大事」「回答者の属性(性別、年齢など)と回答を関連づけると深い分析ができる」などと説明した。
「安倍元首相の国葬は、時事通信社の世論調査でも『反対』が『賛成』を上回った。国葬は営まれたが、岸田内閣が国民に弔意を強制しなかったなど、調査には一定の意味があった」と話した。
生徒の松井智優(ちひろ)さんは(16)は「質問内容を明確にして賛否を尋ねることが大切だと分かった」と話した。(三好正文)=18日付神戸新聞朝刊神戸版
[写真説明]時事通信・水島信総局長の話を聴く生徒=神戸市長田区寺池町1
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。
■養父市立宿南小学校(10月12日、対象・3、4年生6人) 神戸新聞養父支局長の桑名良典記者が「自分らしい新聞を作ろう」と題して授業を行った。児童たちは同校で9月にあった運動会をテーマにした新聞作りに挑戦。桑名記者は「一輪車の練習を頑張ったなど、それぞれの感想を記事に書こう」と呼び掛けた。
県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で9月、人事異動があり、読売新聞神戸総局長が曽根文朗さんから水野広宣さんに交代した。人となりを自己紹介で―。
読売新聞神戸総局長 水野 広宣
23年ぶりの勤務となります。当時は震災直後でした。6回の転勤を経験しましたが、これほど体に記憶が染みついている街はありません。あの頃、若さに任せ、五感をフル回転していたのだと思います。
震災で肉親を奪われた人の震える声を聞いていました。街づくりに力を合わせる人たちの真っすぐな目を見ました。代替バスの排ガスの臭いは忘れません。テント村でいただいた豚汁の味は今も鮮明によみがえります。
学生時代、東京―大阪間を歩く旅をしました。震災後の半年で歩いた距離はその時を上回ると思います。あのとき足先から感じ取った復興の槌音が今に続き、目の前の街があるーー。そう思うと神戸の人たちの底力を感じずにはいられません。
立場は変わりましたが、これからも積極的に街に出ようと思います。何とぞよろしくお願いいたします。
神戸新聞記者が講師に
「自分らしい新聞を作ろう」と題した授業が10月12日、養父市八鹿町宿南の宿南小学校であった。神戸新聞養父支局長の桑名良典記者が講師を務め、3、4年生6人が、同校で9月に開かれた運動会をテーマにした新聞作りに取り組んだ。
同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。桑名記者は自身が書いた記事を例に「見出しと前文に読者に伝えたい大切なことが書いてある」と説明した。
新聞作りでは「5W1H」が入った前文の実例を紹介したほか、児童たちに運動会当日や練習で印象に残ったことを尋ねた。「放送係を担当したのが楽しかった」「一輪車に上手に乗れるようになった」などの答えがあり、桑名記者は「それぞれの感想を記事に書いて『自分らしい新聞』を作ろう」と呼びかけた。
児童たちはA4判の用紙に記事を書き込んだ。今後、当日の写真を貼り付けて紙面を完成させる。(三好正文)=13日付神戸新聞朝刊但馬版
[写真説明]新聞作りについて学ぶ児童たち=宿南小学校
※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。
県NIE推進協議会会員の新聞・通信社で9月、人事異動があり、共同通信神戸支局長が安本省吾さんから高橋正也さんに交代した。人となりを自己紹介で―。
共同通信神戸支局長 高橋 正也
久しぶりの神戸です
9月に神戸に参りました。阪神大震災の際、勤務地・福岡から応援で現地入りした以降は、ほとんど訪れる機会がなく、本当に久しぶりの神戸です。
10年ほど前、大阪支社社会部でデスクをしていた当時は、大阪維新の会に絡む記事の出稿に忙殺され、府外に足を運ぶ余裕がなかったことが思い出されます。
本社では政治部の在籍期間が長く、直近はニュースセンター整理部におりました。神戸でNIE活動に関わる皆さまと交流できますことが楽しみです。
ネット時代を迎え、メディアを取り巻く環境は日々、変化しています。一方で、新聞が提供する「情報の信頼度の高さ」は変わりません。日本新聞協会が調査結果を例年発表している通りです。世論を二分する問題について賛否両論を書き込み、読者に複眼的な思考を促す大切な役割も新聞にはあると考えています。よろしくお願いいたします。