ロシアのウクライナ侵攻 有権者選択「命に関わる」
選挙権を得る18歳を前に、主権者とは何かを学ぶ講演会が3月15日、洲本市下加茂1の蒼開高校であった。教育現場で新聞を活用するNIEの一環。時事通信社の丸山実子神戸総局長と、神戸新聞社の三好正文シニアアドバイザーが、選挙報道の厳格さと若者が投票する重要性を伝えた。
同校は日本新聞協会のNIE実践指定校で、2年生約70人が参加した。
丸山総局長は選挙報道について、有権者の判断材料になるよう、全ての立候補者に調査票の記入を求め、経歴や政党推薦などの情報を集めると説明。全国の地方紙などに記事を配信する通信社として、「記事の内容を間違うと広範囲に影響してしまう。速さと正確さ、過不足ないコンパクトな記事を目指している」と話した。
三好シニアアドバイザーは投票のシミュレーションをした。「大学の学費無料化」が争点の選挙があると仮定。生徒5人が、「18高校生」「45歳主婦」「65歳会社社長」など異なる年代になったつもりで模擬投票した。
結果は3対2の賛成多数。しかし、三好アドバイザーは年代別の人口比や投票数によっては逆の結果になるとの試算を示し、「若者の意見を反映させるには投票に行くことが近道」と呼び掛けた。
さらに、市民の死傷が連日報道されるロシアのウクライナ侵攻に触れ、「正しい情報を得て、誰が国のトップにふさわしいのか選ばないと命に関わる」と力説。「今年は参院選がある。社会の出来事に興味を持ち、ウィズコロナ時代に未来を描ける国や地域のリーダーを選んで」と話した。
倉光瑛太さん(17)は「少子高齢化が進む中、若者の意見が取り入れられるには投票が大切だと学べた。選挙権を得たら、候補者の公約や世界情勢も判断材料にして投票したい」と話した。(吉田みなみ)=16日付神戸新聞朝刊淡路版
[写真説明]生徒を年代別の主権者に見立て、投票の仕組みを解説する三好正文シニアアドバイザー(左)=蒼開高校
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