「升田の里芋」の魅力を伝えようと壁新聞を作る児童たち=加古川市立東神吉小学校
加古川市立東神吉小学校の3年生33人が、地元で採れる「升田の里芋」のキャラクター「里ねばちゃん」を作った。PRソングやアニメCM、グッズも作り、升田の里芋のおいしさをアピールしている。兵庫県NIE推進協議会が、キャラクターの作り方に始まり、キャラクターを選ぶ「総選挙」、里芋の魅力をPRする壁新聞作りまで関わった。
里ねばちゃんは、里芋の大きな葉を傘のように広げ、かわいらしい小芋が二つくっついている。粘りがあっておいしいから「ねば~」が口癖だ。「ありがとねば~」「よろしくねば~」という風に使う。
同校の西垣美由紀教諭から「里芋のゆるキャラ作りを教えてほしい」と推進協議会事務局に電話が入ったのは、昨年9月。里芋は同校の校区を中心に栽培され、作付面積は約1.7㌶に上る。やわらかな食感が人気だ。私も加古川市での記者経験があるので特産品なのは知っていた。
ゆるキャラの里ねばちゃん(東神吉小学校提供)
聞けば「子どもたちが地元農家にも取材した。いずれ里芋の魅力を伝える壁新聞も作りたい」という。「取材をもとにして、ゆるキャラを作る」「壁新聞も作る」のであれば、「これもNIE」と引き受けた。
キャラクターの作り方の授業では、くまモンやひこにゃんなどの人気キャラを例に、「何をアピールするか考える」「目や表情に性格を反映させる」などを伝えた。キャラクターは児童33人全員が一つずつ考えた。「総選挙」は、同校教諭のほか、市教委やJAの職員らも(もちろん私も)投票し、昨年10月、一児童の作品を選んだ。名前や口癖もみんなで考え、「ねば~」が決めゼリフの「里ねばちゃん」が誕生した。
さらに、児童たちは里ねばちゃんのポスターやのぼりを作り、学校近くにあるJAの直売所に掲示した。店内には、児童らが作詞したPRソングが流れている。
2月2日、一連の取り組みや里芋の魅力を壁新聞にまとめる授業を行った。「『5W1H』はニュースの基本」「見出しで興味関心を引く」などを伝えた。
昨年9月から続いてきた、私の授業もひとまずこの日で終わり。私が子どもたちに感じてほしかったのは「古里を大切に思う心」と、「みんなで取り組む喜び」だ。それと「新聞を作る楽しさ」も少し。5カ月間にわたる、楽しいNIEの取り組みとなった。
児童の作った壁新聞はこちら。
児童たちが作詞、西垣教諭が作曲したPRソング「♪ハッピー 里いも♪」の音源はこちら。
※「わたしの感想NIE」 に児童のみなさんの感想を掲載しています。感想はこちら。
アニメCMのワンシーン
三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)(2月10日)
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