西上三鶴・兵庫県教育長
生徒が生き生きとしている授業の雰囲気が素晴らしい。お聞きすると、生徒が関心をもっていることをつかんで授業を進めるためのキーワードは、「NIEノート」にあるとのこと。
生徒にとっては、自分が関心する記事を集め、意見を考え、そしてまとめる力を育成することにつながる。
一方、先生にとっては、授業のはじめに生徒のノートを確認することで、生徒の関心がどこにあるかを探っているとのこと。でも、即座に、授業をどう進めるかを判断する能力があってのことではあるが。
こうした取り組みは、生徒だけでなく先生にとってもNIE活動ならではの成果なのかもしれない。
新聞づくりも、これから必要な能力。今や高校生にも、ポスターセッションやプレゼンの機会が増えた。きっと役立つ。
また、ICTは、新聞をとっていない家庭での学びを補ってくれる。新聞づくりにも。
これからは、NIE活動もICTを効果的に組み合わせることが重要である。
あらためてNIE活動の広がりを感じた授業でした。
愛徳学園中・高校 米田俊彦教諭
発表では「NIEノート」の楽しさを知り、ノートが十数冊に及ぶ生徒もいるとお聞きしました。生徒の達成感やさらに知りたいという意欲を高める日ごろの取り組みが大きな効果を上げていることに感服し、一人ひとりの生徒との関わりの大切さを痛感しました。
生徒のアンケートからは「新聞を毎日読む」「週に2、3回読む」と答えた割合に、「月に2、3回読む」まで加えると「新聞を読む生徒」の割合は全国平均の2.3倍に上り、感動を覚えました。
さらに自宅で読んだ新聞を学校に持ち寄り、読みたい生徒が自由に持ち帰れる仕組みは新鮮で、購読率が低下する中、より多くの生徒が新聞に親しむことにつながっていて、大きな可能性を感じました。
大変有意義な時間でした。こうした取り組みを継続し、高校での学びにどう生かすか、高校から新聞を読み始める生徒をどう増やすか、授業での関わりや学校の仕組みづくりが必要だと感じました。
また、コロナ下の対応として、例年の公開授業と違って、全体の説明をした後、授業や活動の様子を長めの動画で見せるのも、取り組みや授業の意図がよくわかる手法だったのではないかと思います。
明石市立高丘中学校 池田 靖教頭
公開授業に参加させていただき、新聞活用に対する、同じような思いの方々や実践されている先生方に出会うことができました。新聞の設置方法や校内の組織について、同じ教科の先生方との連携など細かなところまで教えていただきました。本当にお世話になり、ありがとうございました。
芦屋市立潮見中学校 松下優子教諭
インターネットによる情報が生徒の中に大きく入り込んでいる現在、新聞に親しませるには授業で扱うことが最も近道だと思います。そのための特別な時間を作るよりも、生徒にとっての「日常」に組み入れてしまうことが一番だと、あらためて実感しました。
「NIEノート」は私の担当する国語科としても取り入れてみたい取り組みです。確実な情報を手に入れる手段として、また、確かな文章を読むことで考えを広めたり深めたりする手段として、少しでも新聞に触れる時間を持たせたいと思っています。
宮崎県キャリア教育支援センター 水永正憲トータルコーディネーター
浜脇中学校のNIE活動は、生徒たちの「主体性」を引き出す素晴らしい取り組みだと感じました。「NIEノート」という手法が学校内で定着している様子もよく分かりました。先生や親に与えられた情報ではなく、自分で新聞などのメディアから情報を選んでいくことを積み重ねることで「主体性」が生まれるに違いないと思います。浜脇中学校の生徒たちは、このような実践を体験しつづけることで、将来社会に出て主権者になった時に、民主主義の要である「投票する」ことにも積極的になれるのではないかと感じました。
トライやる事業と重ねて、新聞づくりをされていますが、コロナ禍で職場体験が中止になる中で、新しい取り組みだと思いました。ぜひとも宮崎でも実践してみたいと思います。また、兵庫県NIE推進協議会との連携も緊密で、実践的な学びが実現できていることにも感銘を受けました。