学校教育に新聞を活用するNIE(教育に新聞を)活動の実践発表会(県NIE推進協議会主催)が2月6日、オンライン形式で開催され、85人が参加した。
姫路市立豊富小中学校の教諭は、関心のある新聞記事を切り抜き、紹介し合う「まわしよみ新聞」や複数の新聞の読み比べをオンラインで実施し、防災学習や平和学習で新聞を活用した取り組みを報告した。
神戸市立神港橘高校の高野剛彦教諭は、賛否の分かれるテーマの新聞記事を使って集団討議するモラルジレンマ学習について報告。「対話を重ねることで人間関係の向上につながり、情報の信頼性や多様性など新聞の価値に改めて気づかされた」と話した。【脇田顕辞】=7日付毎日新聞朝刊神戸・明石版
[写真説明]オンライン形式で開かれた県NIE実践発表会で取り組みを報告する姫路市立豊富小中学校の教諭
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[写真説明]新聞各紙の社説を読み比べた生徒の感想を紹介した兵庫教育大付属中教諭の発表=神戸市中央区東川崎町1
「NIE(教育に新聞を)」活動を進める県内の学校の実践発表会が2月6日、神戸市中央区の神戸新聞社報道展示室であった。県内の教員ら85人がオンラインなどで参加。日本新聞協会の実践指定を受けた3校の担当教諭が、新聞を用いた授業と意義を報告した。
発表会は、新聞社や教育関係者でつくる兵庫県NIE推進協議会が毎年開催している。
豊富小中学校(姫路市)の川村かおり教諭と井上佳尚教諭は、平和や防災学習などの調べ学習への新聞活用法を紹介。新聞作りアプリ「ことまど」を使った新聞発行など、「日常的に新聞を使い作ることで、気付きを得ている」と述べた。
兵庫教育大付属中(加東市)の安永修教諭は、正しい情報をくみ取る力「メディアリテラシー」を複数の新聞を読み比べして身に付ける学習法を報告。新聞記者による講演会などから、「疑いを持ってニュースを読むことの大切さを学んだ」とした。
神港橘高(神戸市兵庫区)の高野剛彦教諭は、「Go To トラベル事業を継続すべきか中断すべきか」―など、道徳的に答えのない課題について意見交換する「モラルジレンマ学習」について話した。「多面的な情報に基づき対話を重ねることで、生徒たちの人間関係を向上できる」と力を込めた。(貝原加奈)=7日付神戸新聞朝刊広域面
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新聞聞を活用した授業の取り組みを報告する県NIE実践発表会が2月6日、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って開かれ、教員ら約80人が視聴した。
市立豊富小中学校(姫路市)は、新聞づくりを体験できるアプリを使って生徒がそれぞれ個人の新聞を作ったり、新聞の連載記事を元に姫路の戦争遺跡についてまとめたりした。川村かおり教諭は「新聞を『つくる』と『つかう』を意識しました」と報告した。
兵庫教育大付属中学校(加東市)は、2紙の社説を3日分読み比べた上で、朝日新聞の高橋純子編集委員を招き、マスメディアの役割についてたずねた。「こんなに(社説の)意見が正反対なのに驚いた」という生徒の感想も紹介した。
市立神港橘高校(神戸市兵庫区)は新聞から意見が分かれるテーマを見つけ、記事の要約と自分の考えをまとめてグループ討論した。「Go To トラベル」事業では、経済か感染症対策かというジレンマを生徒に考えてもらった。(滝坪潤一)=7日付朝日新聞朝刊神戸版
[写真説明]報告する姫路市立豊富小中学校の先生=Zoom画面から
日本新聞協会NIEサイトにも実践発表会のリポートが掲載されています。リポートはこちら