2021年2月アーカイブ

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 兵庫県NIE推進協議会の記者派遣事業として、西宮市立浜脇中学校は1月22日、「新聞ができるまで」というテーマで講座を持ちました。講師は毎日新聞阪神支局の稲田佳代記者です。対象は全校生680人。新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、各学年代表の生徒9人が対面で講義を受け、その様子を全校生徒はモニター画面を通じて視聴しました。

 本校の1、3学年生徒は、社会科授業の一環としてNIEノートを作成しています。週に一度、自分が気になる記事をスクラップしてまとめ、感想を書きます。社会科の授業の導入として、書画カメラを使ってプレゼンテーションします。他生徒の発表を聞くことで、新たな気付きなどにつながっています。2年生は2020年12月、トライやる・ウィーク(兵庫の中学2年生を対象とした職場体験)の一環として、新聞記者の仕事を学び、記事を作成する活動をしました。

 当日の講座の内容は、①新聞記者の心構え、道具②記者としての体験③記者として必要なスキル④質疑応答-でした。

 ①については、メモの取り方、カメラなどの道具の準備、さらにできるだけの情報を集めてから取材へ行くために下調べの重要性を伝えていただきました。

 ②については、東日本大震災当時の稲田記者ご自身の体験を語ってくださいました。発生当日に、即座に宮城県に向かうようにという指示を受け、着の身着のままでワゴン車に乗り込んだそうです。また、記者となった当初は政治部門に在籍し、現在の菅首相ら著名人への取材経歴があることも教えてくださいました。現在は、阪神間で起こる事件の取材などをされています。その他、身近なニュースへの関わりなど、話は多岐にわたり興味深い内容でした。

 ③については、記事を書くうえで必要なものは「文章力」と「好奇心」だと説明してくださいました。例えば、新聞に小さく載っているジェンダー差別による社会問題の記事に関心を持ち、より詳しく取材することで真相へとつながり、社会への提言のひとつになったのではないか。そのような事例紹介が印象的でした。

 ④の質疑応答では、「今の時代の中、記事作りで意識していること」や「記者をしていて楽しかったこと」の質問に、「外出自粛で家庭の中に問題が潜んで外から見えにくい状態となったので、専門家に聞き、統計をもとに取材している」や「いろいろな人から貴重な話を聞かせてもらえること」と答えてくださいました。

 生徒の感想には「記者さんの行動力や強い好奇心、体力など、必要な力をたくさん知ることができた。今後の生活にも役立て、より文章力をつけていきたい」とありました。

 今後は、全生徒に配布されたパソコンも有効活用していきます。NIE活動を学校教育に結びつけ、新聞記事を通して社会全体の動きを学び、多角的に物事を思考できる学習活動を目指していきたいと思います。

渋谷仁崇(西宮市立浜脇中学校教務主任/NIE担当)(2月28日)

[写真説明]各教室にあるモニターを通じ、新聞記者の話を聞く生徒たち

21年1月23日付毎日新聞朝刊阪神版の記事

    兵庫県NIE推進協議会が2020年8月、同協議会のサイトに立ち上げた「わたしの感想NIE」コーナーに、記者の出前授業などを受講したNIE実践指定校の児童・生徒の感想が多数寄せられ、アップ数は延べ23校約1300人に上っている。「新聞への関心が高まった」「多くの人の手で正確性を高める努力をしているのを知った」「これからは見出しだけでも読みたい」「新聞社・通信社の仕事がよく分かった」などさまざまな感想が寄せられ、授業を行った記者も励まされている。

 出前授業には兵庫に取材拠点を置く新聞・通信社8社が記者を派遣する。その様子は同協議会のサイトや「兵庫NIEニュース」(年3回発行)で伝え、記者を派遣した各新聞社も記事掲載してきたが、児童・生徒の感想の紹介はそれぞれ数人までだった。

 「わたしの感想NIE」コーナーは、感想を「できるだけ多く」「原文そのままで」「可能なら筆跡もそのままで」紹介しようと企画。実名掲載は保護者の許諾が必要で時間がかかるため匿名とし、まずは大人数の〝生の声〟をアップすることを目指した。

 本人や先生だけでなく、PTAにも推進協のサイトをのぞいてもらってNIE活動に関心を持ってほしい。子どもたちには「新聞がどう役に立ったか」「この部分をもっと聞きたかった」など具体的な意見も書いてもらい、出前授業の質向上に生かしたい―。そんな思いも込めた。

 新聞とSNSの違いに触れた授業では「新聞のすごさを知り、SNSの利便性を感じた」との感想も。「お仕事がんばってください」など、うれしいメッセージも多い。

 サイト上で児童・生徒の質問にも答えている。記者のやりがいを尋ねた県立加古川南高校の生徒に、読売新聞社の記者は「自分の書いた記事によって、例えば、病気に悩んでいた人が新しい治療法に出合う。そうした記事を書けたときにやりがいを感じる」と回答した。

 愛徳学園中・高校(神戸市)は、毎日新聞社の記者の出前授業を受講した生徒と、同校のNIE公開授業を受講した生徒の感想を送ってくれた。米田俊彦教諭は「『わたしの感想NIE』は児童・生徒がどう考えたか、どう深まったか、どう変わったかまで分かる。NIE実践の記録として大きな価値がある」と話している。

三好 正文(兵庫県NIE推進協議会事務局長)

※今後も児童・生徒のみなさんの感想を多数掲載したいと考えています。NIE実践指定校のご協力、よろしくお願いします。

 日本新聞協会が発行している「NIEニュース」第97号の同協会NIEアドバイザー紹介コーナーに、近藤隆郎教諭(神戸山手女子中高校)、瀧口梓教諭(県立川西明峰高校)のお二人が掲載されています。

 特集「SDGs学習に最適なNIE」では、2018~19年度のNIE実践指定校・県立武庫荘総合高校の山村康彦教諭の寄稿「継続的な記事閲読と壁新聞制作」が掲載されています。

 ぜひお読みください。

 日本新聞協会「NIEニュース」

 

■愛徳学園中・高校(2月3日、対象・中3~高2の93人) 毎日新聞神戸支局の韓光勲記者が事件取材の裏側について講演。22歳の女性が90歳の祖母を介護疲れの末に殺害した事件の取材を通し「なぜ報じるのか、きちんと自分の言葉で説明することが大切」と強調した。中3生、高1生はオンラインで視聴した。

 

生徒の感想一覧 高2

生徒の感想一覧 高1

生徒の感想一覧 中3

2月6日・Zoom(ズーム)によるオンライン開催 参加者85人


 西上三鶴・兵庫県教育長

 発表された先生方、本当にご苦労様でした。日頃の学習活動の中で、新聞という素材を様々な工夫をして活用されているなあ、と素直に感じました。加えて、新型コロナの中で、大変だったと思います。これからも頑張っていただきたい。

 発表内容に個々の感想ではなく、全体として受けたことを申し上げます。

 まず、改めて新聞の素晴らしさでした。
 教科書の内容は児童生徒の発達段階で異なるのに、新聞の内容は一つです。そして、児童生徒を主な対象として制作されている訳でもありません。なのに、小中高それぞれに応じて活用できる、直接記事を使うだけでなく、ICTの活用で新聞を作ってみるということもできる、本当に素晴らしい素材であることです。
 発表で残念だったことは、新聞という素材だからできること、できたことという点の強調が少し弱かったかなと思いました。

 2点目は、これからの懸念です。
 教科書もノートも今は紙です。新聞も紙です。親和性がある。
 しかしながら、これからは違ってきます。来年度からデジタル教科書が小学校に試行的に導入されます。一人一台パソコンで、ノートも紙でいずれはなくなるでしょう。
 一方、情報の手段もデジタルが主流になっています。学校でのNIEの活動でも、紙の新聞記事をパソコンに取り込んで活用する場面がありました。
 こうした流れの中で、紙の新聞はどうなるのだろうか。

 いずれにしても、これからもNIEの活動を期待しています。 

【参加者の感想】

<実践報告について>

・ 各校の発表も、生徒の発達段階に合わせての新聞の有効活用は、本当に勉強になりました。

・ 新聞を活用した実践は、大変参考になりました。文科省から学校図書館に複数紙の配備を推し進めるように示されていますが、実際の新聞の活用方法について理解が広がっていないように思いますので、こうした実践校の発表は大いに参考になると思います。

・3校による実践発表はNIEのヒントの詰まったものばかりで、見ごたえがありました。

・ 各学校が、発表の方法を工夫されていてとても楽しく拝見いたしました。授業や取り組みの内容はもちろんですが、これからの時代、いかに効果的に、インパクトをつけて発信していけるか、ということも大切だと思います。そういう意味でも、大変、提案性のある実践発表でした。先生方の発想の豊かさがさらに児童・生徒の新しい発想や取り組みにつながると感じました。ちなみに、日本は、プレゼン力(伝える力)をつけるような授業や研修会が大変少ないそうです。今後、学んだことを発信するための力も子どもたちにつけていかねばなりません。(発信することでさらに自分の力となります)今回たまたまこのような形の発表会になったことも結果的にとても良かったと思います。

・ 3校それぞれ工夫を凝らした発表が、今後の研究会の形の提案にもなりよかったと思いました。

・ どちらの学校も児童生徒さんの実態があり、地域性等があり、その中で素晴らしい取組をなさっておられました。ありがとうございました。やはり現場は「実践」ですね。

・ それぞれの校種の取り組みを詳しくお聞きすることができました。とくに、兵庫教育大学附属中学校のお話は、キャリア教育などの一環としても取り入れられており、大変興味深かったです。

・ 各校の三者三様の発表がとても参考になりました。リテラシーの育成の必要性は特に感じるところでした。全体を通して感じたことは、四技能の基本が揃っている児童生徒に向けてであればできるが...、という点です。本校は特別支援学校です。そのため、四技能のうちのいずれかに引っかかりがあるため、定型発達の児童生徒に対するアプローチと同じやり方では学習の効果が低いことが考えられます。逆に、この点に注目し、何らかの手立てを考えることで、NIEの実践をより良い方向で進めることができるのではと考えました。

・画面上で発表資料(パワーポイント)を見ることができ、大変わかりやすい発表だったと思います。また、それぞれの意見を画面上で送信し、参加型の発表もよかったです。(実際の場では、手を挙げて・・・という形になるのでしょうか。パソコン上では、瞬時に数が把握できるのでいいですね。)。ICTをつかった研究授業発表でもそうですが、パソコンがうまく動いてくれるかという不安は常にあります。必要以上に時間がかかったり、データを読み取れなかったりする場合があるので、前もっての打ち合わせが不可欠ですね。

・ 実際に、他の学校でどのようなことをされているのかわかり、とても参考になりました。特に、新聞の読み比べは本校でもメインとして実践していることの一つなので、今度、本校でも取り入れたいと思うことが多くありました。また、本校の実践とは違う新たな視点も知ることができ、勉強になりました。発表の方法も、参加型にしたり、映像を用意したりと工夫されていて、とても楽しいものでした。ありがとうございました。

・他の校種の実践が聞けたのが良かったです。姫路市立豊富小中学校は小中の協力体制が素晴らしいと思いました。安永先生がお一人で活動を開始されたということに驚きました。高野先生の報告にスタンプで参加させたのが楽しかったです(もっと参加してほしかったです)。

<全体について>

・ オンラインなので音声など多少のハプニングは普通にありますが、運営されている側は大変なのだろうな~と考えながら拝聴していました。本当にお疲れさまでした。

・ 参加型の実践発表が個人的には、とても良かったです。会場に集った場合は、挙手をするのかなあ? 等と考えながら参加しました。ZOOMでは、発表者が、ギャラリーの反応を見ることができないと決めつけていましたが、方法はいくらでもあるのですね。勉強になりました。スタッフの皆様も、お疲れ様でした。


・ 翌日の新聞記事にもたくさん掲載していただきありがとうございました。また、毎日たくさんの新聞を提供してくださっている各販売店にも感謝です。学校のある日、休業日等で冊数の変更も快く引き受けてくださり、本当にありがたいことです。新聞を無償でいただき、今年度はとても学習の範囲、機会が広がりました。

・ 今回はオンラインでの開催となりました。実際の会場でしか味わえない「ライブ感」というものもありますが、神戸で開催された場合、但馬・養父市からの移動を考えますとオンラインでの開催は有難かったです。

・ リモートということもあり、参加もしやすく、深くを聞きすることをできました。とてもよい機会でした。今後ともよろしくお願いいたします。

・ オンライン会議の設定、いろいろとありがとうございました。

・ ZOOMでの開催により、遠くに住んでいる人でもパソコンさえあれば簡単に参加が可能となることはいいことだと思います。実践発表の内容がいつでもホームページで見られたら、NIEを勉強したい人のいい資料になると思います。NIE実践発表会お疲れさまでした。

・ 少し音声が聞き取りにくいところはありましたが、とても素晴らしい実践発表会でした。画面も発表者に固定していただいたり、適宜映像やスライドに変えていただいたり、とても見やすく聞きやすかったです。若干遅れての参加となってしまいましたが、とても良い時間を過ごすことができました。ありがとうございました。

・参加の手順も分かりやすく、音も聞きやすかったです。ありがとうございました。

 学校教育に新聞を活用するNIE(教育に新聞を)活動の実践発表会(県NIE推進協議会主催)が2月6日、オンライン形式で開催され、85人が参加した。

 姫路市立豊富小中学校の教諭は、関心のある新聞記事を切り抜き、紹介し合う「まわしよみ新聞」や複数の新聞の読み比べをオンラインで実施し、防災学習や平和学習で新聞を活用した取り組みを報告した。

 神戸市立神港橘高校の高野剛彦教諭は、賛否の分かれるテーマの新聞記事を使って集団討議するモラルジレンマ学習について報告。「対話を重ねることで人間関係の向上につながり、情報の信頼性や多様性など新聞の価値に改めて気づかされた」と話した。【脇田顕辞】=7日付毎日新聞朝刊神戸・明石版

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[写真説明]オンライン形式で開かれた県NIE実践発表会で取り組みを報告する姫路市立豊富小中学校の教諭

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[写真説明]新聞各紙の社説を読み比べた生徒の感想を紹介した兵庫教育大付属中教諭の発表=神戸市中央区東川崎町1

 

   

 「NIE(教育に新聞を)」活動を進める県内の学校の実践発表会が2月6日、神戸市中央区の神戸新聞社報道展示室であった。県内の教員ら85人がオンラインなどで参加。日本新聞協会の実践指定を受けた3校の担当教諭が、新聞を用いた授業と意義を報告した。

 発表会は、新聞社や教育関係者でつくる兵庫県NIE推進協議会が毎年開催している。

 豊富小中学校(姫路市)の川村かおり教諭と井上佳尚教諭は、平和や防災学習などの調べ学習への新聞活用法を紹介。新聞作りアプリ「ことまど」を使った新聞発行など、「日常的に新聞を使い作ることで、気付きを得ている」と述べた。

 兵庫教育大付属中(加東市)の安永修教諭は、正しい情報をくみ取る力「メディアリテラシー」を複数の新聞を読み比べして身に付ける学習法を報告。新聞記者による講演会などから、「疑いを持ってニュースを読むことの大切さを学んだ」とした。

 神港橘高(神戸市兵庫区)の高野剛彦教諭は、「Go To トラベル事業を継続すべきか中断すべきか」―など、道徳的に答えのない課題について意見交換する「モラルジレンマ学習」について話した。「多面的な情報に基づき対話を重ねることで、生徒たちの人間関係を向上できる」と力を込めた。(貝原加奈)=7日付神戸新聞朝刊広域面

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 新聞聞を活用した授業の取り組みを報告する県NIE実践発表会が2月6日、オンライン会議システム「Zoom(ズーム)」を使って開かれ、教員ら約80人が視聴した。

 市立豊富小中学校(姫路市)は、新聞づくりを体験できるアプリを使って生徒がそれぞれ個人の新聞を作ったり、新聞の連載記事を元に姫路の戦争遺跡についてまとめたりした。川村かおり教諭は「新聞を『つくる』と『つかう』を意識しました」と報告した。

 兵庫教育大付属中学校(加東市)は、2紙の社説を3日分読み比べた上で、朝日新聞の高橋純子編集委員を招き、マスメディアの役割についてたずねた。「こんなに(社説の)意見が正反対なのに驚いた」という生徒の感想も紹介した。

 市立神港橘高校(神戸市兵庫区)は新聞から意見が分かれるテーマを見つけ、記事の要約と自分の考えをまとめてグループ討論した。「Go To トラベル」事業では、経済か感染症対策かというジレンマを生徒に考えてもらった。(滝坪潤一)=7日付朝日新聞朝刊神戸版

[写真説明]報告する姫路市立豊富小中学校の先生=Zoom画面から

   日本新聞協会NIEサイトにも実践発表会のリポートが掲載されています。リポートはこちら

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 発生から26年を迎えた阪神・淡路大震災をテーマにした授業が2月5日、姫路市豊富町御蔭の豊富小中学校であり、中学1、2年生176人が神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーの話を聞いた。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を活用した。生徒たちは神戸新聞が報道した同震災の写真パネルを見て授業に臨んだ。

 三好アドバイザーは震災の日、神戸・三宮の本社で宿直勤務だった。当日書いた記事や当時の様子を紹介し「様相の異なる一つ一つの災害から学び、伝えることが新聞の役割」と話した。

 新型コロナ対策を踏まえた避難所運営も説明した。古和恭茉(こわきょうま)さん(2年)は「平成にさまざまな災害が起きていることを知った。記憶を語り継げる人間になりたい」、萩原花帆さん(1年)は「被災者を取材する記者の悲しさも伝わってきた」と話した。=6日付神戸新聞朝刊姫路版 

[写真説明]災害をテーマに行われたオンライン授業=豊富小中学校(同校提供)

 〈質問にお答えします〉阪神・淡路大震災の被災者向け仮設住宅について 仮設住宅は兵庫県民向けに48,300戸が発注され、入居のピークは46,617戸でした。用地確保が課題で、被災地だけでは土地が足りず、大阪府内や姫路、加古川市など29市町に広がりました。仮設住宅が入居ゼロになったのは、2000年1月14日。震災から1823日後でした。

 ※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

  

■姫路市立豊富小中学校(2月5日、対象・7、8年生176人) 神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーが発生から26年を迎えた阪神・淡路大震災をテーマにオンライン授業を行った。大震災の日、宿直勤務だった体験談やコロナ禍の避難所運営を紹介。生徒は災害報道パネルを見て授業に臨んだ。

 

生徒の感想一覧 01

生徒の感想一覧 02

質問にお答えします


                                        令和3年2月6日
兵庫県NIE推進協議会 実践発表会挨拶
                                        会長 秋田久子

 皆様、こんにちは。会長の秋田久子です。今日はご参加くださいましてありがとうございます。オンラインの実践発表会は初めてです。今年度は皆さまにいろいろに助けていただいて、たくさんの「初めて」に取り組みました。

 さて、実効性あるオンライン学習は喫緊の課題です。そこで、ご挨拶に代えて、生徒がタブレットを通じて意見交換するオンライン授業の長所をお伝えしたいと思います。これは、私自身が前期にオンライン授業で得た手ごたえを、実践校の公開授業で確認したという体験報告でもあります。
    オンラインで意見交換する授業の長所、それは「言語化の必然」です。生徒は自分の考えを言葉にする必要があります。
 これまでは授業に「体だけ参加」する生徒が一定の割合でいました。発表する人は発表できる人です。大人からは一見活発に見える話合いや実習であっても、積極的に流れに乗っていける生徒と、時間をやり過ごす生徒がいます。私たち大人側からは見えませんが、学力だけでなくキャラクターや関係性も参加のレベルに大きく影響しているようです。
 ところが、オンラインでの意見交換では、自分の意見を文章で書き込まねばなりません。対面の時のように「雰囲気」で補えません。自分と向き合い文章にするのは孤独な作業です。書き込んだ文章だけが授業参加の証明です。オンラインでの意見交換は、考えるための孤独を守り言語化能力を鍛えます。
 数年のうちに、オンラインでの個別のやり取りが通常授業に組み込まれていくでしょう。そうなれば言語化能力が日常的に鍛えられ、個々人が自分の輪郭をはっきりさせていけます。その次には、対面でよりよく伝えるための、非言語コミュニケーションの技術にも意識が及ぶにちがいありません。自分で自分を演出する意識は生き方を変える力を持ちます。主体的な生き方の原資として、正確な情報収集力は更に一層必要になると思います。
 ところで、意見の書き込みを通じて言語化能力を伸ばし、対面での発表で非言語コミュニケーション技術を訓練するには、どんなテーマがいいでしょうか。結論が決まっていないダイナミックなテーマが意見交換を活発にすると思いませんか。NIEがここで使えます。事後学習に新聞を活用して、教科書「で」教える授業ができます。NIE活用でご一緒に、平和で民主的な社会の形成者を育ててまいりましょう。推進協をどうぞご活用ください。
 本日は先生方の実践報告では、姫路市立豊富小中学校、川村かおり先生・井上佳尚先生、兵庫教育大学附属中学校・安永修先生、神戸市立神港橘高等学校・高野剛彦先生にご出演いただきます。とても楽しみです。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

    2020年度兵庫県NIE実践発表会 参加のお礼 2月6日、Zoomによるオンラインで開催し、兵庫県内外から85人に参加いただきました。ありがとうございました。

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 新聞を学校の教材に活用するNIE(教育に新聞を)活動の一環として、神戸市垂水区の愛徳学園中・高校で2月3日、毎日新聞神戸支局の韓光勲記者(28)が講演した=写真。韓記者は22歳の女性が90歳の祖母を介護疲れの末に殺害した事件の取材について語り、中学3年~高校2年の93人は熱心に耳を傾けていた。

 韓記者は、警察官から「女の子はかなり追い詰められていた。加害者であり、被害者やわ。気の毒やね」と聞いたことが取材を始めたきっかけだったと説明。「この問題は誰もがひとごとではなく、今の日本社会の問題を表していると感じた。なぜ報じるかをきちんと自分の言葉で説明できるようにすることが大切」と話した。

 高校2年の新沼萌々(もも)さん(16)は「一つの記事のためにたくさんの労力や時間がかかっていることを知った。女性はかわいそうだと思うし、日本社会の厳しさを感じた」と話した。【脇田顕辞】=4日付毎日新聞神戸・明石版

 生徒の感想 高校2年、東原花乃音(かのん)さん(17)「裁判や周辺取材をどうまとめていくか興味を持った。記者の方に初めて話を聞き、今後の学習に役立てたいと思った」

   ※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。

■西宮市立浜脇中学校(1月22日、対象・全校生690人) 毎日新聞阪神支局の稲田佳代記者が「新聞記事ができるまで」と題し授業を行った。取材した東日本大震災などの記事を基に、取材方法や原稿の書き方を紹介。質問にも回答した。生徒9人の前で話し、他の生徒は各教室のモニター画面を通じ視聴した。

生徒の感想一覧01

生徒の感想一覧02

生徒の感想一覧03

生徒の感想一覧04

■姫路市立豊富小中学校(1月26日、対象・中学1年生29人)井上佳尚教諭が実践。数人の班ごとに全国紙2紙と地方紙1紙の気になる記事を読み比べ、各自がパソコンの学習支援アプリ「Jamboard」に意見を書き込んで共有した。テレビ会議アプリ「Zoom」のみで公開、県外からも13人が参加した。

生徒の感想一覧