阪神・淡路大震災が起きた時期に毎年、防災学習を行う兵庫教育大付属中学校(加東市山国)で、1月18日、震災報道に携わる神戸新聞の記者2人が「伝える意義」をテーマに講演した。生徒も参加したパネル討論では、次代へ語り継ぐ大切さについて理解を深めた。
同校は本年度の日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践指定校。防災学習はその関連事業として企画した。NIE活動の一環として、神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーと阪神総局の名倉あかり記者が登壇した。
名倉記者は1995年生まれで震災を知らない。「知ったふりはできない」と、葛藤を持ちつつ遺族取材をした体験を振り返った。長い年月を経てようやく語り始めた遺族もいるといい「発せられた声を次の世代にどうつないでいくか、一生をかけて考えていくものだと思う」と話した。
三好アドバイザーは震災当日は宿直明けの勤務で、壊滅的な街を取材したことを伝えた。「安全安心の情報発信と市民を励ます記事が必要だった。備えにゴールはなく、一つ一つの災害から、学び取ることが大事」などと述べた。
生徒3人と幼児の頃に震災に遭った教諭も加わったパネル討論では、記録する大切さや、災害に備えて想定、想像する必要性も話し合われた。(中西大二)=19日付神戸新聞朝刊ひょうご総合面
[写真説明]神戸新聞記者らとともに防災について話し合ったパネル討論=兵庫教育大付属中
生徒の感想 宮下雄次さん(2年)「震災で犠牲になった多くの方がいる。私たちは震災の教訓を生かしていく使命があると強く思った」、森美紘さん(2年)「犠牲者の人生を伝えるためご遺族の言葉を引き出すことが大切だと思った」
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授業直前、神戸新聞阪神総局・北摂総局のTwitterで「今から防災学習を始めます」と動画とともに紹介。北播総局のアカウントでもリツイートし、名倉記者の過去記事のリンクを掲示した。
※「わたしの感想NIE」に生徒のみなさんの感想を掲載しています。