2020年7月アーカイブ

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 新聞の読み方を学ぶオンライン授業が7月30日、姫路市豊富町御蔭の豊富小中学校であり、小学5年生103人が神戸新聞NIX推進部の三好正文シニアアドバイザーの話を聞いた。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、遠隔会議システムを活用した。

 三好アドバイザーは、史上最年少で将棋のタイトルを獲得した藤井聡太棋聖などの記事を例に、一番初めに結論を書く「逆三角形」など新聞記事の仕組みを説明。「記事は事実の裏付けをして掲載している」と話し、「新聞から正確な情報を得てほしい」と呼び掛けた。

 柿本陽愛(はるあ)さん「新聞は難しい言葉もあるけど、将来役立ちそう」、多田剛章君は「正しい情報を知るため新聞は大切だと思った」と話した。=31日付神戸新聞朝刊姫路版

[写真説明]オンラインで新型コロナ報道の話を聞く児童たち=豊富小中学校(同校提供)

 ※「わたしの感想NIE」に児童のみなさんの感想を掲載しています。

 日本新聞協会は7月8日、新聞を生きた教材として活用する「NIE(教育に新聞を)」の2020年度実践指定校に全国535校を決めた。兵庫県内では20校が指定された。

 535校の内訳は、小学校219校、小中連携4校、中学校174校、中高連携11校、高校118校、特別支援学校9校。
 県内は小学校4校、小中連携1校、中学校4校、中高連携1校、高校10校。指定は原則2年間で、新聞を自由に活用してもらうため、購読料を新聞協会と各新聞社が全額負担する。県内の実践指定校は次の通り。
 【小学校】新規=伊丹市立天神川▽継続=神戸市立六甲アイランド、洲本市立鳥飼、淡路市立志筑
 【小中連携】継続=姫路市立豊富
 【中学校】新規=西宮市立浜脇、兵庫教育大付属、蒼開▽継続=猪名川町立中谷
 【中高連携】新規=愛徳学園
 【高校】新規=県立明石西、県立西宮、県立多可、県立神戸高塚、県立兵庫▽継続=神戸市立神港橘、県立柏原、県立加古川南、県立三田西陵、県立神戸鈴蘭台

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    9年制の義務教育学校・姫路市立豊富小中学校は、隣接する市立豊富小・豊富中が一つになって、2020年4月1日に開校しました。特色ある取り組みとして「NIE推進」を掲げています。コンセプトは、新聞を「つかう」と「つくる」活動を通した情報活用能力の育成で、体験活動やICTの活用、調べ学習と連動した活動など、工夫しながら「つかう」「つくる」活動を進めています。

    19年度、小中両校とも日本新聞協会のNIE実践指定校となり、実践を積み重ねてきました。その体験をベースに、「つかう」活動では、記事の活用を中心に朝の全校読み聞かせ、コラムの書き写し、まわしよみ新聞などの活動のほか、防災スリッパづくりなど、新聞そのものを素材にした取り組みも行いました。

   「つくる」活動では、教科や総合的な学習・行事・体験活動のまとめとして、新聞づくりを実施。5~9年生(中学3年生)では、神戸新聞社のクラウド型アプリ「ことまど」を使った新聞づくりにも取り組みました。

 前期課程(小学校)には新聞委員会があり、19年度に引き続き、校内のニュースを取材して毎月、壁新聞を発行。委員会の児童たちからは「みんなが読んでいる姿をみるとうれしい」「『次はどんな記事を書こうかな』と考えながら、記事を探している」などの感想が聞かれ、「情報の作り手」としての意識の芽生えを感じます。

 さらに、学校図書館や校内の掲示板に新聞コーナーを設けるなど、日常的に新聞に触れて感じることのできる場づくりも行っています。

 「新聞のある風景」が根付きつつある本校ですが、教員たちが、NIEに関する特別な会議や研修を行っているわけではありません。一人一人が新聞の存在を少しだけ意識し、教育活動の中に新聞の特性を自然に溶け込ませているイメージです。

 以前から校種を超えた教育研究が活発で、新しいことにトライする雰囲気がNIE推進につながっているように感じます。

 新型コロナ感染拡大防止の休校措置を経て、6月15日から通常の教育活動が再開しました。後期課程(中学校)では、毎日届く新聞から生徒がお勧めの記事を順に紹介する取り組みもスタートしています。

 新しい生活におけるNIE実践に向け、これからも「新聞のある風景」をみんなで創っていきます。

井上幸史(姫路市立豊富小中学校教頭)(7月6日)

[写真説明]お勧めの記事を選び、発表内容を考える9年生

 ※日本新聞協会NIEサイト・各地の教員研究組織で、豊富小中学校NIE研究チームを紹介しています。 

各地の教員研究組織