新聞を教育現場で活用するNIE(教育に新聞を)の実践発表会(県NIE推進協議会主催)が2月1日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールで開かれた。県内の小中高校の児童生徒や教諭ら約80人が参加し、日ごろの成果を発表した。
神戸市立向洋小と同市立山田中、県立武庫荘総合高(尼崎市)が取り組み事例を発表。山田中の荒木浩輔教諭は「記事の感想を書き、クラスメートに読ませることで、情報の取捨選択や自己表現、多様性の理解が進んだ」と報告した。
また養父市立建屋小6年の児童9人らが、英字新聞を活用して英語に慣れ親しむ「イングリッシュ・マラソン」を実演。県立神戸鈴蘭台高(神戸市)の生徒は県内企業の経営者らにインタビューして、新聞を作ったことを発表した。登壇した同校2年の岸崎泰成さん(17)は「新聞作りを通して自分の知恵や考えが広がった。地元がより好きになり、神戸について考えるようになった」と締めくくった。【峰本浩二】=2日付毎日新聞朝刊神戸・明石版
[写真説明]建屋小児童らによる「イングリッシュマラソン」の実演発表(撮影・兵庫県NIE推進協議会)
◆
新聞を教育に活用する活動に取り組む県NIE推進協議会(秋田久子会長)は2月1日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールで実践発表会を開いた。学校教諭ら約80人が参加し、新聞を有効活用する実践例の報告に熱心に耳を傾けた。
県内の小中学校、高校5校が日頃の成果や課題などを発表。神戸市立向洋小の田中健二教諭は読売KODOMO新聞を使った学習を紹介した。高学年は新聞を読んで要約し、自分の感想などを発表しており、「新聞は子どもと社会を結ぶ扉になっている。新聞を使い、知的好奇心をさらに高めたい」と話した。
県立武庫荘総合高(尼崎市)の山村康彦教諭は、読ませたい記事を生徒に配り、生徒が平和や貧困などテーマごとに壁新聞を作成していることを報告。生徒が社会への関心を高めるきっかけになっているといい、山村教諭は「社会の一員としての自覚を高めることができた。今後も取り組みを継続していく」と強調した。=2日付読売新聞朝刊神戸明石版
[写真説明]企業経営者にインタビューして新聞を作ったことを発表する、神戸鈴蘭台高2年の岸崎泰成さん(左)と勝占(かつら)美穂さん(撮影・兵庫県NIE推進協議会)
◆
NIE(教育に新聞を)活動を進める小中学校、高校の実践発表会が2月1日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールで開かれ、教育関係者ら約80人が参加した。日本新聞協会の実践指定校計5校から担当教諭や児童、生徒が新聞の活用法を紹介した。
兵庫県NIE推進協議会の主催。同市東灘区の向洋小の田中健二教諭は、子ども新聞の記事要約、歴史上の出来事の号外作りなどを紹介。「新聞は子どもと社会を結ぶ扉になる」と述べた。同市北区の山田中の荒木浩輔教諭は、新聞記事に感想を添えて回し読みする活動を報告し、「ネットで情報を得る生徒が約8割。新聞へのハードルを下げることが必要だ」とした。
尼崎市の武庫荘総合高は、生徒に読ませたい記事の切り抜きを作ったり、社会問題への意見を投書させたりする事例を発表。会社社長らに取材し、インタビュー記事を書いた神戸鈴蘭台高(神戸市北区)からは、2年の岸崎泰成さんが「何に力点を置いて書くかに迷った。取材を通し、経営者の地元愛に触れられた」と話した。(井上 駿)=2日付神戸新聞朝刊広域版
◆
新聞を使った授業をしている学校が取り組みを語る「県NIE実践発表会」が2月1日、神戸市中央区のよみうり神戸ホールであった。教員ら約80人が5校の話に耳を傾けた。
神戸市立向洋小(東灘区)は朝の学習時間で4年生以上が新聞を読む、要約する、自分の考えを言う活動について報告。田中健二先生は「新聞は子どもと社会を結ぶ扉」と話した。
神戸市立山田中(北区)は、生徒に気になった記事を選んで感想を書かせ、班で回し読みして考えの多様さを気づかせた。県立武庫荘総合高(尼崎市)は、SDGs(持続可能な開発目標)に関する記事を集めた壁新聞づくりなどに取り組んだという。
養父市立建屋(たきのや)小は、英字新聞を使ったゲームを通じて英語を身近なものにする「イングリッシュ・マラソン」を児童と教員らが実演。県立神戸鈴蘭台高(北区)は、2年生の岸崎泰成さんと勝占美穂さんが、企業経営者らに取材して記事を書き、新聞をつくったことを報告した。=2日付朝日新聞朝刊神戸版