2019年9月アーカイブ

 活発な話し合いができる良い工夫はないものかと模索していたところ、NIE 全国大会宇都宮大会で、ことばの貯金箱「夢」プロジェクト代表、渡辺裕子先生の「つぶやきNEWSッス」に出合った。このワークショップに参加し、早速私の学校でやってみたい!と思ったことから、NIE公開授業をさせていただくことになった。
 さて、この授業するにあたって最も注意したことは時間配分である。記事の紹介。つぶやき。 対話 。活動の振り返り。以上の活動を適切な時間で、なおかつ授業時間内にすべて終えられるかどうか。それによって学びの質が大きく左右されると考えたからだ。
 まず初めに、授業の「めあて」「ゴール」を明確にし、授業の流れを提示する。この活動は何のためにするのか、どのように進めるのかがあらかじめ分かっていれば、生徒たちの取り組む姿勢も変わる。
 新聞を使った今回の授業は、話し合いも活発になり、考えを深めあうことができたと実感しているが、決められた教科の時間数の中で新聞を使用することの課題を克服しなければ広がらないと痛感した。これからも新聞を活用しながら、生徒たちが学ぶ喜びと楽しさを実感できる授業作りを模索していきたい。
中嶋 勝(尼崎市立大庄北中学校主幹教諭)(9月27日)

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 NIE(教育に新聞を)活動の一環で、神戸新聞丹波篠山支局長の金慶順記者(34)が9月24日、丹波市柏原町東奥の柏原高校で、記者を目指した理由や新聞社の仕事について講演した=写真。

 同校は日本新聞協会のNIE実践指定校。選択授業「教養社会」を受ける3年35人が参加した。
 「『頑張っている人』と『困っている人』を取材して知らせたい」と金記者。紙面だけでなく大手ニュースサイトにも記事を配信することや、LINE(ライン)で読者から情報を募る双方向の取材手法なども紹介した。「10年後に現在と形を変えていない業種はないと思うけど、本質を見失わないよう仕事に励みたい」と話した。
 大中慧飛(けいと)さん(17)は「読まれるために工夫をしていることが分かった。新聞で地域の取り組みをもっと読みたい」と話していた。=25 日付神戸新聞朝刊丹波版

 生徒の感想 古田悠人(ゆうと)さん「記者に偏見があったが、頑張る人を取り上げたり、社会に問題提起し続けたりしている記者もいると知った」、由良汐音(しおね)さん「記者がどんな思いで書いたかを考えながら記事を読みたい」

兵庫NIEニュースを発行しました。第60号となる今回はNIE兵庫セミナーの様子やNIEアドバイザーの研究活動などを紹介しています。
下記リンクからPDFファイルをご覧いただけます。

NIEニュース(60号)・PDFファイルを開く

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 「自分の思いを文章で表現する」をテーマにした講演が9月17日、神戸市垂水区福田1の神戸聴覚特別支援学校であり、教職員70人が、兵庫県NIE推進協議会の三好正文事務局長の話を聞いた。

 同校は2018年度から日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践校に指定されている。講演は、教職員の文章力アップを図り、NIEへの理解をいっそう深めようと企画した。

 三好事務局長は、採用された新聞投書の良い点を考えたり、エッセーに見出しを付けたり、悪文を直したりする作業を通し、教職員に文章の書き方を指導。「常にテーマを意識しながら書こう」と呼び掛けた。

 続いて、NIEの展開例として、希望者30人を対象にワークショップを行った。4人一組の班に分かれ、各自が気になった記事を選んで紹介。A3判の用紙に貼り付け、余白にその記事を選んだ理由、ほかの人の用紙には記事に対し、共感したり、疑問に思ったりしたことを書き込んだ。

 衣笠晴彦教頭は「書くことで論理的な力が養われることを強く感じた。インタビューするときに大切なのは『相手に尊敬の念を抱くこと』という言葉が心に残った」、齋藤治教諭は「NIE活動の参考になる事例が多かった。自分の文章を客観的にとらえることが大切だと感じた」と話した。

[写真説明]自分が選んだ記事を紹介する教員=神戸聴覚特別支援学校

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 NIE(教育に新聞を)活動の一環として、興味のある新聞記事を持ち寄り、感想や意見を出し合って対話を深める国語の公開授業が9月13日、尼崎市大庄北1の大庄北中学校であり、3年生34人が参加した。

 尼崎市教委の「マイスター教員による公開授業研修講座」と兵庫県NIE推進協議会の共催。同校は2018年度から日本新聞協会のNIE実践校に指定されている。

 授業は、中嶋勝主幹教諭(56)が担当し、新聞を通じてメディアリテラシーを学ぶ計7回の授業「情報を読み解く」のうち3回目として行われた。生徒は4人一組の班に分かれ、いじめ自殺やあおり運転、熱中症対策など、自分が気になった記事を口頭で紹介。記事を模造紙に貼り付け、余白に各自が共感や驚き、疑問などの「つぶやき」を書き込んだ。最後に、自分が選んだ記事に書かれた「つぶやき」を読み返し、あらためて考えを班内で発表した。

 橘花音(かのん)さん(14)は「一人一人違う意見を持っていて、それをみんなで共有することは面白いし、とても大切だと思った」と話した。

[写真説明]模造紙に共感や疑問などの「つぶやき」を書き込む生徒たち=尼崎市大庄北1

 生徒の感想 佐野風菜(ふうな)さん「みんなの意見を聞いて自分が選んだ記事を深く考えることができた」、廣瀬幸喜さん「自分が選んだ記事の5W1Hなど内容を明確に伝えるのが勉強になった」

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■採用された投書を読む
 読者の心に届く新聞投書について考える授業が6月13日、姫路市本町の白鷺小中学校で開かれました。小学6年生34人が参加し、昨年、新聞の子ども向け投書コーナーに採用された同校児童の投書「犬のふんは飼い主が持ち帰るべき」と「小さなことでも毎日チェレンジすることが大切」を、8班に分かれて読み比べました。
「新聞の投書を読み比べよう」=「東京書籍」小学6年=を学習するにあたって、実際に投書を読んだことのある児童が40%、投書をしたことがある児童が0%という実態の中で、いかに児童が探究心を持って授業に参加できるかを考えました。
そこで、18年度の6年生が実際に投書し掲載された作品を活用することで、投書を身近に感じ、意欲的に投書の工夫を見つけようとすることができたと思います。
■意見を分類して黒板に貼る
個人思考では見つけにくい児童も、グループで友だちの意見を聞くことで新しい考えを共有しました。色分けした黒板の表に、ホワイトボードに書いた意見を分類して貼ることで、「序論・本論・結論で構成する」「体験に基づいた意見を述べる」「予想される反対意見に対する反論を書く」など大切な点を整理し、理解することができていたようです=写真。
さらに、投書先である神戸新聞社の記者さんから、「読者が『おやっ』『へぇ~』『なるほど』と思う意見を書くこと」や、投書を書く時のテーマの見つけ方も教えていただき、自分も投書をしたいという意欲を高める授業となりました。
吉田 裕美(姫路市立白鷺小中学校教諭/NIEアドバイザー)(7月31日)

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 新聞の読み方や役割を学ぶ授業が9月10日、洲本市五色町鳥飼中の鳥飼小学校であった。5、6年生34人が、神戸新聞NIX推進部の三好正文アドバイザーの話を聞いた。

 同校は本年度から日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践校に指定されている。三好アドバイザーはイチオシ記事を選ぶワークショップを通じ、「関心をもった記事を基に調べ学習をすると、社会の動きが分かるようになる」と強調した。
 記者の仕事では、淡路総局の取材体制を説明。聖隷淡路病院(淡路市)が年内で分娩(ぶんべん)を休止するニュースなど最近の記事を紹介し、「新聞を読んで、地域を大切に思う心を育んでほしい」と呼び掛けた。
 大橋悠人君(6年)は「新聞のいろんなページを読みたくなった」、山田涼桜(りおん)さん(5年)は「新聞ができるまでの流れが分かり、勉強になった」と話した。=11日付神戸新聞朝刊淡路版

[写真説明]イチオシの記事を選ぶ児童たち=鳥飼小(撮影・山岡颯太君)

 児童の感想 増田篤樹君(6年)「多くの作業を経て新聞ができていることに驚いた」、大橋和奏(わかな)さん(6年)「写真の撮り方のコツを教えてもらって勉強になった」

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 阪神・淡路大震災をテーマにした講演が9月9日、姫路市豊富町の津熊総合センターであった。近くの豊富中学校2年生102人が、兵庫県NIE推進協議会事務局長で、神戸新聞NIX推進部の三好正文アドバイザーの話を聞いた=写真。
 同校は本年度から日本新聞協会のNIE(教育に新聞を)実践校に指定されている。三好アドバイザーは、同震災当日、全壊した神戸新聞社本社(神戸・三宮)で宿直勤務だったことや、被災状況と復興したまちの様子を説明。県西・北部豪雨(2009年8月)など、平成に相次いだ地震、水害、火山噴火も解説し、「一つ一つの災害から教訓を学び、命を守ってほしい」と呼び掛けた。
 生徒たちは、本紙9月1日付の防災の日特集「南海トラフ巨大地震」を読んで、備えの大切さについて意見発表した。久保絢稔(あやね)さんは「まちがどう復興していったかがよく分かった」、秋田樹里さんは「被災した人が前向きに生きる姿や、災害弱者を守る取り組みに感銘を受けた」と話した。=11日付神戸新聞朝刊姫路版

 生徒の感想 「日ごろの地域のつながりが防災力向上につながることを知った」「被災者が愛するまちのために協力して困難なときを乗り越えたのだと思った」「防災の啓発に有名なタレントの協力を得るのもいい方法だと思った」

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    新聞を学校の教材に活用するNIE(教育に新聞を)活動の一環として、猪名川町立中谷中(同町原)で9月4日、毎日新聞阪神支局の井上元宏記者(44)が講演した。全校生徒約140人が取材や紙面制作の体験を聞いた=写真。
 県NIE推進協議会の記者派遣事業。井上記者は初任地の大分で2002年にあったサッカー・ワールドカップ(W杯)を振り返り「試合だけでなく、海外ファンとの出会いが貴重だった。多様な側面を取材できるのが記者の楽しさ」と語った。阪神大震災(1995年)の被災者取材について「私自身は震災を体験していない。阪神大震災のことを知ろうとする姿勢が大切だと感じている」と話した。
 紙面制作の編集会議の様子も写真で説明。講演を聞いた同中3年、西口紗織理さん(14)は「様々な人が関わって紙面が作られるのはすごいと感じた」と話した。同中3年、北垣平悟さん(15)は「読みやすさを考える姿勢が伝わった。新聞をしっかり読みたいと思いました」と話した。=5日付毎日新聞朝刊阪神版

 生徒の感想 麻生大地さん(3年)「記者がどんな気持ちで記事を書いているかが分かった。W杯での外国ファンの取材の話に興味をもった」、奥田華梨(かりん)さん(3年)「神戸から東日本大震災の被災地へ、海外も含め全国から集まった手紙を送る運動を取材した話が興味深かった」

 NIE公開授業が13日、尼崎市大庄北1、大庄北中学校である。同校の中嶋勝主幹教諭(国語)が「NIE・新聞を取り入れた授業」をテーマに行う。

 NIE(教育に新聞を)活動を進める兵庫県NIE推進協議会の主催。同市教委の「マイスター教員による公開授業研修講座」との共催。
 無料。午後2時15分~3時5分。終了後、NIEをテーマにした交流会がある。参加希望者は12 日までに申し込む。同協議会事務局TEL078・362・7054、ファクス078・362・7424

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