バルセロナ 時代超え息づくガウディの思い 〜神戸新聞音楽紀行でスペインへ(上)
スペインには、着工から約130年を経て、なお建設が続く世界遺産「サグラダ・ファミリア」を筆頭に、中世以降の歴史的建造物が数多く残り、当時の街並みをそのまま残す地域も少なくない。「神戸新聞音楽紀行」に参加。神戸新聞文化財団名誉顧問で指揮者の抜井厚さんらと、バルセロナやマドリードと、その近郊を巡り、文化や音楽を楽しんだ。

日本からバルセロナに到着した翌日、郊外のグエル公園へ。建築家アントニオ・ガウディの設計で、芸術と自然との融合を目指した別荘地だったが、まったく売れず、公園に衣替えして市に寄付された。ガウディが住んだ住宅は記念館となり、一連の作品とともに世界遺産に選ばれている。
公園内には黄や青の色鮮やかな粉砕タイルを張ったベンチや門衛館、石を積み上げた回廊が散在。明るい地中海の光の中で澄み切った青空や森の緑、タイルの色彩がまぶしいほどで、ガウディの目指した自然と芸術の融合がそのまま息づく。
観光客の人気を集め、その建設にガウディが生涯をかけた教会「サグラダ・ファミリア」。近年、伝統的な石積みから鉄筋コンクリート造りに工法は変わったが、石積みで造られた東門(生誕の門)と、コンクリート造りの身廊(しんろう)(入り口から主祭壇に向かう中央部分)の対比の美しさは言葉では表現できない。
ゴシック建築のような石組みの装飾的構成に対し、近代の抽象的な形をした構造体や彫刻が一体となって教会の空間をつくり上げている。多角形で整えられた柱や天井と、そのすき間から降り注ぐ明るい陽光で、荘厳な雰囲気を醸し出し、ただ驚嘆するばかり。
現地の日本人ガイドによると、「8本ある鐘楼の鐘の音は約2キロ離れたグエル公園で聞こえるように調整されている」とか。時代を超えて造り続ける人々の熱く、強い思いが感じられる。
夜はこの旅の目玉、カタルーニャ音楽堂でのコンサート鑑賞。100年前にガウディの先生だったドメネク・モンタネールが設計し、モデルニスモ様式の極致ともいわれ、世界遺産に選ばれた。
ホールはほぼ満員。天井や柱、壁、照明など至る所にバラの花の豪華な装飾が施され、華やかな衣装に包まれて聞くかのようなピアノとクラリネットのコンサートは格別だった。
ホテルに戻る前、近くのバール(お酒の出るカフェ)に寄り、スペインの小皿料理「タパス」をおつまみに、参加者14人で文化と音楽に乾杯...。
(記事、スケッチ・茨木 保)

〈メモ〉
スペイン・バルセロナへは関西空港から東南アジアか、ヨーロッパ主要都市で乗り継ぎ16時間前後。2011年の神戸新聞音楽紀行は10月3~8日の日程で、バルセロナやマドリード、タラゴナ、アランフェスなどを巡った。観光情報などはスペイン政府観光局のホームページ(日本語)で。
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